当社では、2024年夏にAMADA製のレーザータレットパンチ複合機を新たに導入しました。入れ替え前の旧機種も同じくAMADA製で、約15年間稼働し続け、板金加工の主力設備として活躍してきました。15年という年月の間に技術は大きく進化し、実際に新機種を導入してからの1年間で、その変化を強く実感しています。ここでは、導入効果を具体的に整理してご紹介します。
1. 消費電力が20~30%削減 ― 省エネと環境への効果
最新のAMADA製複合機では、電力効率が飛躍的に向上しています。旧機種と比べると、消費電力が20~30%削減されました。
この削減効果は単なるコスト面のメリットにとどまりません。電気料金の高騰が続く中でのランニングコスト削減はもちろん、二酸化炭素排出量の抑制にも直結し、環境負荷低減という点でも大きな意義があります。製造業において「省エネ」と「サステナビリティ」は今や欠かせないテーマであり、設備更新の大きな成果の一つといえます。
2. CO₂レーザーからファイバーレーザーへ ― 切断速度の飛躍的向上
旧機種ではCO₂レーザーを採用していましたが、新機種はファイバーレーザーを搭載しています。これにより、以下のような効果を実感しています。
- 
切断速度の大幅向上:特に薄板鉄材(t1.0〜3.2mm程度)の加工では、従来より格段に速く切断できるようになり、主要な生産領域での効率が大幅に改善。
 - 
安定した加工品質:切断面がきれいに仕上がり、後工程での仕上げ作業が軽減。
 - 
メンテナンス性の改善:CO₂レーザーで必要だった光学系の調整やガス交換が不要となり、稼働率向上に寄与。
 
当社では主に薄板の鉄を扱っているため、この切断速度向上の効果が最も大きく、納期短縮や小ロット対応に直結しています。
3. 金型自動交換による段取り時間の短縮
板金加工において、金型交換の効率は生産性を左右します。旧機種では作業者が手動で金型を交換していたため、どうしても段取り時間が発生していました。
新しい複合機には金型自動交換機能が搭載されており、作業者が介入することなく自動で金型交換が行われます。これにより、
- 
段取り替えの時間ロスを大幅削減
 - 
人為的なミスの低減
 - 
夜間・無人運転の実現性向上
 
といった効果が得られました。特に小ロット多品種生産において、段取り替えが頻発する現場では非常に大きなメリットとなっています。
まとめ
AMADA製レーザータレットパンチ複合機を導入してからの1年間で、次のような成果を得ることができました。
- 
電力使用量を20~30%削減し、環境にも優しい生産体制を実現
 - 
ファイバーレーザーによる切断速度の大幅向上(特に薄板鉄材で効果大)
 - 
金型自動交換機能による段取り時間短縮と効率化
 
15年間使用した旧機種からの更新は、単なる設備の入れ替えではなく、当社の板金加工体制そのものを進化させる大きな転機となりました。今後もこの最新設備を最大限に活用し、さらなる品質向上と納期短縮を追求してまいります。

